ヘルニア外来
ヘルニア専門外来のご案内
H27年5月よりヘルニア外来を開設しました。
そけい・大腿ヘルニア(脱腸)・臍ヘルニア(出べそ)などでお困りの患者様は遠慮なくご相談ください。
- 担当医
- 山﨑 泰源(やまさき やすもと)
- 診療時間
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- 月〜水・金〜土
- 午前 9:00 〜 12:30
- 午後 15:00 〜 17:30
- ※午後は手術などにより担当医が変更される場合があります
そけいヘルニアとは?
「そけい」とは、太ももの付け根の部分のことをいい、本来ならお腹の中にあるはずの腸の一部がそけい部の筋膜の間から飛び出してくる病気のことで、一般的には“脱腸”と呼ばれています。
- ❶外そけいヘルニア
- そけい靭帯の上で、外側から出てくるヘルニア。
そけいヘルニアでは一番多いタイプです。 - ❷内そけいヘルニア
- そけい靭帯の上で、内側から出てくるヘルニア。
- ❸大腿ヘルニア
- そけい靭帯の下から出てくるヘルニア。
出産を経験した女性に多く見られます。
- ・どのような症状が
あるのでしょうか? - 下腹部の違和感や痛み、便通異常、立った時やお腹に力をいれた際に下腹部や太ももの付け根あたりに柔らかい膨らみができるなどといった症状がでます。通常膨らみは柔らかく、押したり横になったりすると元に戻ります。
- ・どのような人が
なりやすいのでしょうか? - 成人の場合は加齢により筋肉が弱くなることが原因で、特に40代以上の男性に多く起こる傾向があります。職業が関係していることも指摘されており、腹圧のかかる力仕事が多い人や立ち仕事に従事する人、その他便秘症の人、肥満の人、前立腺肥大の人、咳をよくする人、妊婦も要注意です。
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加齢
- ・特に40歳以上の男性
職業- ・お腹に力がかかる
仕事 - ・立ち仕事に
従事する人
日常生活- ・咳をよくする人
- ・妊娠している人
- ・過激な運動をする人
病気など- ・便秘気味
- ・肥満
- ・喘息
- ・慢性肺疾患
- ・放っておいたら
どうなるのでしょうか? - そけいヘルニアは、筋膜にあいた穴が原因のため自然に治癒することはありません。次第に大きくなることが予想され、ひとたび嵌頓(かんとん)を起こすと命にかかわる重大事になります。嵌頓(かんとん)とは、穴から飛び出た腸が引っかかってしまい元に戻らなくなる状態のことをいい、急激な腹痛を伴い放っておくと腸閉塞や腸の壊死を起こしてしまいます。
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ヘルニア状態
嵌頓(かんとん)状態
- ・治療はどのようなものが
あるのでしょうか? - そけいヘルニアは、手術でのみ治療が可能です。薬での治療や自然に治癒することはありません。
手術について
手術は大きく分けて2種類の方法があります。
- 1. そけい法
- 術後のキズが5cm
- 2. SILS-TEP法
- キズはおへそサイズ
- 1. そけい法
- 1つ目の方法はそけい法と呼ばれる従来から行われている手術で、そけい部を直接切開して穴を閉じる方法です。利点としては、腰椎麻酔もしくは局所麻酔で手術が可能ですので、「体力的に自信がない方」「持病をお持ちの方」でも手術が可能な方法です。最近では、脱出部の補強にメッシュ(人工のシート)が使用されるようになり、術後の違和感や痛みも軽減されておりますが、欠点としては5~6㎝程度の切開が必要です。
- 2. 単孔式腹腔鏡下ヘルニア根治術
(SILS-TEP法) - 2つ目の方法は腹腔鏡を用いた方法です。当院では単孔式腹腔鏡下ヘルニア根治術(SILS-TEP法)を採用しており、1~2㎝程度の小さな傷からお腹の壁に挿入した細い内視鏡で筋肉にあいた穴を確認しながら修復を行うことで「再発率が低い」「術後の痛み・違和感が少ない」「傷口が小さく目立たない」などの利点がある究極のヘルニア根治術です。欠点としては再発症例や長期間にわたり脱出している症例に関しては操作が難しい場合があります。
最後に、米国ではそけいヘルニアで受診する人が年間80万人もいるといわれ、専門の外科医がいるほど一般的な病気です。日本では14万人と推定されていますが、多忙のため我慢していたり、「恥ずかしい病気」のイメージがいまだにあって、受診を渋っている潜在的な患者様もかなり多いと推定されます。もし、ご自身の症状が上記に当てはまる場合は、一度、ヘルニア外来を受診するようにしてください。
- 院長
- 山﨑 泰源(やまさき やすもと)
- 日本ヘルニア学会評議員
- 日本外科学会 専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 専門医・指導医
岡山大学第一外科(現:消化器外科)に入局、香川労災病院などで研修の後、松山市民病院・倉敷成人病センターにて外科医長として勤務し、平成27年より児島に戻ってきました。
患者様の話をしっかり聞き丁寧に診察すること、そしてわかりやすく説明することを大切にしてこれまで診療をしてきました。600例以上の単孔式腹腔鏡下ヘルニア手術の経験を生かし、最先端の医療を安心して安全に児島で受けられるようにすることが私の使命と思っております。
気になるところがありましたら、気軽にご相談ください。